2018-01-01から1年間の記事一覧
Introduction www.asahi.com 興味深い記述があった。 古市[古市憲寿]は財務省の友人と細かく検討したところ、「お金がかかっているのは終末期医療、特に最後の一ケ月」であることが判明したので、「高齢者に『十年早く死んでくれ』と言うわけじゃなくて、…
素朴概念は「理論」?「断片的知識」? 素朴理論の研究者の多くは、素朴概念が「理論」としての整合性を持ち、概念発達には、知識構造の再編を含んでいると考えている。 対して、diSessa(1993)など一部の研究者は、理論として理解することに懐疑的であり、…
非常におもしろい記事だったので紹介させて頂きたい。 bunshun.jp 本稿では、ここで紹介されている認知バイアスについて書いてみたい。 目次 1.「認知バイアス」とは 2.セルフ・ハンディキャッピング 3.自己奉仕バイアス 4.非合理的(理性的)エスカレー…
大晦日の備忘録。音楽でなんとなーく1年を振り返る。 2018年想い出の作品(多田武彦編) 1.男声合唱組曲「柳河風俗詩」 5月にオンステした演奏会を筆頭に一年間くり返し歌い続けた作品。柳川市にも直接行ったし、いろいろな意味で最も思い出の作品。 2.…
理論と証拠の意識的な調節 Kuhn(1989)によれば、科学的思考の中心的特徴とされる「理論と証拠の意識的な調節」は、成人においても十分に行えないことを示唆している。 第1に、理論と証拠が一致するとき、両者を明確に区別せず、証拠を評価するように求め…
「科学をどのようにとらえるか」これは、科学的思考の発達について考えるときに最も根源的な問いといえる。 今回は『現代の認知心理学 5 発達と学習』(市川伸一編)第10章「科学的概念の発達と教育」(湯澤正通)をもとに、科学のイメージ論を見ていく。 同…
目次 変数間の関係 分類 各関係性と研究のタイプ 回帰分析をめぐって おまけ 引用文献 因果関係を追い求めて コホート研究をめぐって(一般向けの記事より) 疫学研究の結果の因果関係をめぐって 引用文献 変数間の関係 分類 南風原(2002)によると (1) x …
#2 真実よりも優先されるもの 1.「閉じた関係の中で共鳴」 2017年7月8日(土)の北海道新聞に「フェイクニュースの広がりー閉じた関係の中で共鳴ー」と題された、土井隆義の論考が掲載されていたので一部紹介したい。 1-1 フェイクニュースの特徴 土井は同記…
#1 最近のフェイクニュース事情 最近読んだ記事 その1 AIの軍拡競争が生み出す、人間には簡単に太刀打ちできないフェイクニュースの世界。それに少しでも対抗するには、私たちはこれまで以上に、常識やリテラシーと呼ばれるものに頼るしかないのだろう。 本…
目次 正常性バイアスとは何か なぜ、人間は正常性バイアスを持つのか? 逃げ遅れの心理としての「正常性バイアス」(一般向けの記事) 正常性バイアスを防ぐために 正常性バイアスの議論を再考する 要約より 3つの前提とその批判 リアリティの共同構築 引用…
批判的思考(Critical Thinking)とは 1.定義 ①証拠に基づく論理的で偏りのない思考②自分の思考過程を意識的に吟味する省察的(リフレクティブ)で熟慮的思考③より良い思考を行うために目標や文脈に応じて実行される目標指向的な思考 2.批判的思考において…
1.アクティブ・ラーニングの定義 文部科学省の定義 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験…
目次 Society 5.0とは 内閣府の定義 文部科学省の定義 Society 5.0で求められる人材 これからの人材に共通して求められる力 新たな社会を牽引する人材 Society 5.0に向けた今後の教育のあり方 「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習の機会と場…
戦後を中心とした日本における優生思想の変遷を吉岡(2018)をもとに追っていく。 1.戦中の優生政策 2.優生保護法(1948年施行) 3.優生保護法改正による「優生」の規定の強化 4.人工資質向上対策に関する決議(厚生省 1962年7月) 5.不幸な子どもの生…
世界における優生思想の大まかな歴史を、吉岡(2018)をもとに追っていきたい。 1.優生学の誕生 2.優生学の台頭 3.積極的優生学と消極的優生学 4.ウィンストン・チャーチルの言葉 5.知能検査の開発と利用 6.精神薄弱(知的障害)の断種 7.断種の背景…
日本性教育協会が約6年おきに実施している「青少年の性行動調査」。その第8回調査(2017年実施)の報告書には驚きの結果が並んでいたとNEWSポストセブンが報じている。 同記事によれば、 デートやキス、初体験など若者の性行動が減少した最新結果を報告書は…
概念変化(Conceptual Change)の研究は、理科(科学)教育や認知科学の面から数多く研究されている。 概念変化とはなにか 核となる概念、概念表象および概念表象化(ルールやモデル、理論を含む)における変化(稲垣・波多野,2005) 概念変化を起こす4つ…