A Critical Thinking Reed

学んだことのメモ。考えたことの記録。主に心理学。

「考える頭」のつくり方(読書メモ)②

「考える頭」のつくり方 (PHP文庫) 作者: 外山滋比古 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2018/03/03 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 第2章 ・朝、目が覚めたときには、頭の中が整理整頓され、すっきりしているのである。目覚めてから起…

「考える頭」のつくり方(読書メモ)①

「考える頭」のつくり方 (PHP文庫) 作者: 外山滋比古 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2018/03/03 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る はじめに ・日本語でしゃべっているときでも、“......である”と言い切る自信がないとき、“......と思…

いじめを生む教室(読書メモ)①

いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識 (PHP新書) 作者: 荻上チキ 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2018/07/15 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 第1章「これでいいのか,日本のいじめ議論」より 「いじめ」の現状…

教職の現場で何が起こっているのか

メモ “教育"を社会学する 作者: 北澤毅,山本雄二,油布佐和子,片岡栄美,間山広朗,古賀正義,越智康詞,稲垣恭子,清矢良崇 出版社/メーカー: 学文社 発売日: 2011/09/30 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る 第2章「教職に何が起こって…

いじめの定義をめぐって

メモ “教育"を社会学する 作者: 北澤毅,山本雄二,油布佐和子,片岡栄美,間山広朗,古賀正義,越智康詞,稲垣恭子,清矢良崇 出版社/メーカー: 学文社 発売日: 2011/09/30 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る 第4章「いじめの定義問題再…

読書時にアンダーラインを引くべきかについて

世の中には「読書術」と呼ばれるものが数多くある。そもそも「誰かの読書術」が自分にも適しているという保証はなく,読書を重ねていく中で自分に合ったものを見つければいいものではある。だが,効率的に内容を理解したり覚えておくためにどうすれば良いの…

2019年2月の記事

2月は試験などがあったこともあり,かなり忙しく,ちゃんとしたブログをほとんど書けておらず,最後は毎日更新もやめてしまったのだが,3月からまた更新の仕方を見直しつつ,もう少し意見の発信を模索していこうかなと思っている。 目次 読書メモ(一般書) …

投票結果の解釈をめぐって

2019年2月24日。辺野古新基地をめぐる沖縄県民投票が行われた。こういう言い方をすると「印象操作だ!」と言われそうだが,ここではそうした議論をするつもりはないのでご容赦頂きたい。今回書いていきたいのは,投票結果の「解釈」をめぐる話である。 まず…

勧善懲悪と「公正世界仮説」

(以前出したブログの焼き直しです) abematimes.com www.huffingtonpost.jp どちらも世間を揺るがせた大ニュースである。SNSからメディアまで様々な媒体で広く取り上げられ、大規模なバッシングが起こった。 それぞれの記事から気になった部分を一部引用し…

友だち幻想(読書メモ)②

読んだ本 友だち幻想 (ちくまプリマー新書) 作者: 菅野仁 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2008/03/06 メディア: 新書 購入: 12人 クリック: 88回 この商品を含むブログ (37件) を見る 第4章 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」 ・ルール関係:他…

恋人を欲しいと思わない青年について

これまでの恋愛心理学の研究では「恋人を欲しいと思うのは当然」という認識のもとで,実際の恋人に対する調査が中心に行われてきた。しかし,現代社会においては,恋愛願望が高くない(持たない)青年というのも一定の割合で存在することが指摘されている。…

友だち幻想(読書メモ)①

読んだ本 友だち幻想 (ちくまプリマー新書) 作者: 菅野仁 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2008/03/06 メディア: 新書 購入: 12人 クリック: 88回 この商品を含むブログ (37件) を見る 第1章 本書のテーマ ・現代社会において基本的に人間は経済的条件と…

対立を乗り越える心の実践(読書メモ)③

読んだ本 対立を乗り越える心の実践: 障害者差別にどのように向き合うか? 作者: 栗田季佳,星加良司,岡原正幸 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2017/02/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 第5章 特別討論〈相模原事件〉の後のこの国で…

対立を乗り越える心の実践(読書メモ)②

読んだ本 対立を乗り越える心の実践: 障害者差別にどのように向き合うか? 作者: 栗田季佳,星加良司,岡原正幸 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2017/02/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 第3章 生の問題として〈対立を乗り越える〉を…

対立を乗り越える心の実践(読書メモ)①

読んだ本 対立を乗り越える心の実践: 障害者差別にどのように向き合うか? 作者: 栗田季佳,星加良司,岡原正幸 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2017/02/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 各引用部位の見出しはブログ筆者による。 第1…

「理科を学ぶ目的」とは(雑文)

理科教育関連の集中講義で、毎回と言っていいほど扱われるテーマがある。 「理科を学ぶ目的はなんですかと子どもから聞かれたらどう答えますか?」 という問いである。繰り返し言われるということは、これが理科教育において、はっきりとした答えの出ていな…

対立情報との接触が態度に及ぼす効果

目次 読んだ論文 「対立」の種類 ①「主張」の対立 ②「フレーム」の対立 フレーミングとは 争点フレーミングの対立の例 ③「論証」の対立 異種混交性研究が示す接触効果 競合的フレーミング研究が示す接触効果 態度の極化研究が示す接触効果 態度の極化 バイア…

差別論(4)心理学からみた差別③

目次 読んだ論文 前回までのブログ 共生とは ステレオタイプ・差別・偏見の定義 心理学研究の概観 1.人格心理学的研究 2.社会動機に関する研究 3.認知心理学的研究 4.集団心理学的研究 5.低減に向けた研究 6.葛藤・紛争に関する研究 社会的葛藤 パーソ…

考える障害者(読書メモ)

読んだ本 考える障害者 (新潮新書) 作者: ホーキング青山 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/12/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 本書は,芸人であるホーキング青山氏が「タブー」「タテマエ」「社会進出」「美談」「乙武氏」「や…

なぜ,人と人は支え合うのか(読書メモ)③

読んだ本 なぜ人と人は支え合うのか (ちくまプリマー新書) 作者: 渡辺一史 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/12/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 前回までのブログ atsublog.hatenadiary.com atsublog.hatenadiary.com 第5章 ・…

なぜ,人と人は支え合うのか(読書メモ)②

読んだ本 なぜ人と人は支え合うのか (ちくまプリマー新書) 作者: 渡辺一史 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/12/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 前回の記事 第2章 ・自立生活をする障害者にとって,いかにも「あなたのことを思…

なぜ,人と人は支え合うのか(読書メモ)①

読んだ本 なぜ人と人は支え合うのか (ちくまプリマー新書) 作者: 渡辺一史 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/12/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 久しぶりにいい本に出会えたなと思わせてくれた。じっくりと余韻を味わいながら…

ハンナ・アーレント(読書メモ)

読んだ本 ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書) 作者: 矢野久美子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2014/03/24 メディア: 新書 この商品を含むブログ (36件) を見る 同書は,ハンナ・アーレントの生涯を中心にその思想…

悪と全体主義(読書メモ)②

読んだ本 悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書 549) 作者: 仲正昌樹 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2018/04/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (4件) を見る 第3章 ・資本主義経済の発展により階級に縛られていた人々が解放さ…

「科学的な正しさ」の裏にある陥穽

久しぶりに意見系のブログを書くことにした。雑文であることは否めないが,記録として残しておきたい。 gendai.ismedia.jp 「言ってはいけない」「もっと言ってはいけない」といった著書でも話題となっている橘玲氏が,現代ビジネスに寄稿された記事がおもし…

悪と全体主義(読書メモ)①

読んだ本 悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書 549) 作者: 仲正昌樹 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2018/04/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (4件) を見る ハンナ・アーレントについて少々調べる機会があったので,そのつい…

科学者の社会的責任をめぐって

今回読んだ本 共生の現代的探求―生あるものは共にある 作者: 竹内貞雄,重本直利 出版社/メーカー: 晃洋書房 発売日: 2015/03/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 第4章「科学における共生」より。重要な記述をメモ。 1.科学・技術と科学・技…

差別論(3)心理学からみた差別②

今回読んだ論文 前回までのブログ 差別・偏見を解消する試み 新たな挑戦 最近の動向 書籍 論文など 今回読んだ論文 池上 知子(2014)差別・偏見研究の変遷と新たな展開.教育心理学年報,53,133-146. 前回までのブログ atsublog.hatenadiary.comatsublog.…

差別論(2)心理学からみた差別①

今回読んだ論文 これまでのブログ 差別・偏見・ステレオタイプの定義 これまでの差別・偏見研究で指摘されてきたこと 人格理論によるアプローチ 集団心理からのアプローチ 認知的アプローチ 現代的差別 無意識レベルに着目して 社会動機的アプローチ 偏見の…

気ままに考えたこと。(雑文)

Twitterの延長でしかないが、たまには最近思っていることを気ままに書いておきたい。本来は、ブログってこうやって使うのかなぁなんて思いながら。 基本的に私のブログは学術ブログなので、勉強したことをまとめるのに使うようにしている。他人に見せること…